声優養成所・専門学校・スクールそれぞれの違いについて解説！

これから声優を目指す人にとって、どこで声優のスキルを学ぶかは悩みどころだと思います。声優の育成機関には大別すると声優養成所・専門学校・スクールの3つがあります。それぞれに特徴があるので、自分の現在のスキルや方向性によって選択肢が変わってくるでしょう。この記事ではそれぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。

声優専門学校に通うメリット・デメリット

声優専門学校は、国の基準を満たし認可された学校法人が運営するれっきとした学校です。卒業すれば学歴として履歴書に書くことができます。学校なので、授業は基本的に週5日みっちりあります。在籍期間は2年間です。基礎的な内容から学べるので、高校を卒業したばかりの初心者でも安心して学ぶことができます。卒業後は複数の事務所のオーディションを受けることができます。学費は100万から150万円くらいが相場です。

声優専門学校に通う一番のメリットは初心者でも学びやすいという点です。授業のコマ数が多いので基礎的なことにある程度の時間を割いてじっくり指導してくれます。また、専門学校に入る人は高校卒業してすぐの人が多いので、講師もそのつもりで丁寧に教えてくれるでしょう。

また、もう一つのメリットは複数の事務所のオーディションを受けられるという点です。校内オーディションを開催しているところもあるので、いろいろな事務所を受けてみたいという人には向いています。

デメリットとしては、費用が高めということです。授業数が多いため必然的に学費が高くなる傾向があります。また、通常コースでは学生や社会人などの掛け持ちも難しいです。間口が広く若い人が多いので大学のような雰囲気のところも多く、人によっては物足りないと感じることもあるようです。基礎からしっかり学びたい、楽しく学びたいという人には向いているといえるでしょう。

声優スクールに通うメリット・デメリット

声優スクールは学校としては認可されていない育成機関です。総合的に学べる大規模な専門校から個人で経営している塾のようなところまでさまざまです。指導内容も多岐にわたり、レベルもまちまち。声優スクールに通うメリットは、自分に合った指導を受けられるという点です。カリキュラムを自分で組んだり、特定のスキルに特化したりと自由度が高いのが特徴です。専門学校と違って授業数に規定がないので大学生や社会人が通いやすいコースも設置されています。

デメリットは、専門学校と同じく費用が高めという点です。夜間コースや週1回のコースなどはコマ数が少ない分費用が抑えられるようです。また、無認可のスクールは学校ではないので卒業しても学歴にはなりません。基礎から学びたいけど時間が限られているという人におすすめです。

声優養成所に通うメリット・デメリット

声優養成所は声優事務所が運営する育成機関になります。週1日から3日ほどのレッスンのところが多いです。入所する際にオーディションを設けているところが多く、レッスン内容もレベルが高い傾向があります。卒業時は運営母体の事務所のオーディションを受けることになります。他の事務所のオーディションを受けることは基本的にはできません。コマ数が少ない分、費用は専門学校に比べると低く設定されています。

養成所に通う一番のメリットは事務所が直接運営している、という点です。養成所が求める人材を育成する機関なだけあって、レッスンが実践的でレベルが高い傾向にあります。専門学校に比べて、年齢層も高く真剣な雰囲気のところが多いです。

また、声優事務所が直接運営しているので、事務所のマネージャーやデスクの人が顔を見せにくる場合があります。オーディションの前に自分を売り込むこともできるので、その点で専門学校に比べて有利といえます。夜間や土日のレッスンが多いので、大学生や社会人でも通いやすいのが特徴です。費用が比較的安いのも嬉しいところです。

デメリットとしては、運営している事務所以外のオーディションを受けられないということでしょう。行きたい事務所が決まっている、という人がその事務所が運営する養成所に行くというのが基本です。

また、授業レベルが高いので、基礎的なスキルは身についているものとしてレッスンが進んでいきます。コマ数の少なさを自主練習で補う積極性も必要になります。そもそも入所オーディションがあるところがほとんどなので、基礎力がないと入ることすらできません。スキルに自信がない人は、初心者を受け入れている養成所や初心者コースを設けている養成所もあるので、そういったところを探すのも手です。

それぞれの特徴を解説しました。基礎的なところから丁寧に教えてもらいたい、同世代と楽しく学びたいという人は声優専門学校がおすすめです。行きたい事務所が決まっている、もしくは、基礎力は身に付いていてより実践的なことを学びたいなら養成所がよいでしょう。大学生や社会人にも養成所は通いやすいです。苦手を克服したい人や得意ジャンルを伸ばしたい人は、補助的にスクールに通うのもよいかもしれません。自分の現在のスキルや、なりたい声優像と相談して決めるとよいでしょう。